こんな気持ちで作っています

善光園@女子部

2014年03月29日 07:00

最近よくイベントではお話させていただいてることをブログでもちょっとお話しますね。

私たちは無農薬で20年くらいお茶を栽培から製造、販売まで全部やっています。

オーガニック関係のイベントにも参加していますが、一般のイベントの方にもよく行きます。
そうすると、普段農薬なんて興味ない方が、なんで無農薬だと良いの?出来るわけないでしょ?なんて聞かれます。
一般的にお茶は年間20回以上農薬を散布しているそうです。お父さんが農薬を使っていた頃の話だと思うので、今はもっと多いか、凄く強い薬を回数を減らして散布している状態みたいです。
なんでそんなに使うんだろう?って凄い驚きですよね。

お茶に限らずお野菜もお米も、昔からずっとある植物は人の力を借りなくても自分たちで生きていけます。森の草木もコンクリートの間で必死に生きてる雑草って言われちゃう草たちもみんな農薬や肥料なんて使っていません。
とっても当たり前なことですよね。

お茶はもともと、薬として千年以上前に中国から伝わってきた植物なので当然苦い葉っぱでした。苦味を抑えるために粉末にしてみたり(抹茶とか)蒸し方を変えてみたり(浅蒸し・深蒸し)、苦味の少ない品種(今はやぶきた品種が主流)を増やしたりと工夫されてきました。
最近のお茶は甘くて、こくがあって、っていうのがおいしいお茶だって言われています。
新芽の柔らかい芽は一番甘みが出てくれますが、もっと甘くしたい、もっと早く大きくなって欲しい、と戦後化学肥料を大量にいれるようになってしまいました。
アミノ酸などを増やして甘みを作るんです。
そうすると葉っぱをぶくぶく太らせるようなものなので、病気にもなりやすく、虫もいっぱいよってきて食べられてしまいます。甘いものや脂肪分とかは虫も大好きみたいです(笑)そこからお茶の木を守ろうと殺虫剤や病気に効く農薬を使う必要が出てきてしまったんです。
一度やりはじめてしまうと、イタチごっこのはじまりで農薬に強い虫や病原菌のみが生き残り、それに効く強い薬でねじ伏せようとしちゃうんです。
今では一回まくと3ヶ月とか半年効く(残留する)農薬をまいたりしているようです。

化学肥料だけでなく有機肥料も入れ過ぎると硝酸態窒素という良くないものが出てきてしまうので、その土地の土や気候に必要な分だけ少しサポートする感じで使うのがいいのかな、と思っています。
善光園では年に一回くらいいれる場所がある、程度です。
日本は昔からずっとご先祖様たちが土を作ってくれていたので、あまり余分なものをいれなくても良い作物ができてくれます。土が元気なんですね。ありがたいです。


お茶は年々安く買い叩かれてしまう状況もあり、農薬や肥料代がお茶の値段で回収出来なくなったりしています。農家の高齢化とかの問題ももちろんありますが、産地で均一の品質を求められて土地の土の状態に限らず農薬や肥料の回数が決められているので減農薬などもなかなかできず、苦しんでいます。農家さんたちは一番農薬の近くに居ますので影響を強く受けますし、お茶の木も、自然も、みんなどこかで被害者になってしまってます。

また、ミツバチで今凄い問題になっているネオニコチノイドという成分の薬があります。今のほとんどの農薬に入っているみたいなんですが、お茶に使われているのが凄く多いと聞いています。
ミツバチがいなくなると、植物も人も全部いなくなると言われていますが、植物の花粉を運んで受粉を手伝ってくれるのがミツバチさんなんですよね。
脳をマヒさせる成分があるらしく、人の子供にも影響が出てきているという研究も発表されはじめました。
詳しくはぜひ調べてみてください。
私たちは農家なので科学的なことは詳しくありません。
お客さんや同じような取り組みをしている仲間などから教えてもらったりします。
最近は微生物の研究とかを勉強会で少し聞いたりしました。お客さんの方が詳しい方が多いですよ(笑)

昔は化学肥料も農薬もありませんでしたから、昔から普通にみんなあたりまえにやっていた方法に戻しただけなんです。
今は少数派なんで凄く特別!って感じにとらえられちゃいますが、人も虫もみんな持ちつ持たれつで一緒に生きていける環境にして行きましょう!
もっと無農薬のお茶も増えるといいなぁ、と思います。

みなさんも、身近に出来るところからでいいのでそういう農家を応援してください!身体は食べ物からできています。みんなで幸せなサイクルに戻していきましょう٩(✿╹◡╹✿)۶

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